日本病理学会登録施設
日本臨床細胞学会認定施設
病理診断科では、細胞診断、生検組織診断、手術で摘出された臓器・組織の診断、手術中の迅速診断などを行っています。その他、病理解剖も行っており、解剖例の検討を行う臨床病理検討会(CPC)では地域の開業医・勤務医の先生方の参加も得て熱心な議論がなされています。
氏名 | 那須 拓馬(なす たくま) |
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卒年 | 平成8年 |
役職 | 医局長・病理診断科部長 |
専門分野 | 病理診断学 |
認定医・専門医 所属学会 |
死体解剖資格 日本専門医機構認定 病理専門医 日本病理学会 学術評議員 日本臨床細胞学会 細胞診専門医 |
鹿児島生協病院(当時かごしま市民病院)は、県内の民間病院として初めて常勤病理医をおいた病院であり、当科には1980年9月開設以来30年以上の歴史があります。
病理診断科の仕事は、文字通り“病理診断”です。患者様の体の様々な部分から採取された検体、例えば肺癌健診で提出された痰や子宮癌検診で採取された子宮頚部の細胞、あるいは内視鏡検査で胃や大腸などからつかみ取ってきた数ミリの組織、乳房のしこりや前立腺に針を刺して採取された組織などから、専門の技師が標本を作製し、それを病理医が顕微鏡で診て良性・悪性の診断をします。その他、手術で切除された様々な臓器の病変についての精密な診断も行っています。病理診断は、その後の治療方針の決定に、きわめて重要な役割を果たしています。診断の難しい症例については、大学等への積極的なコンサルトにより診断制度の維持に努力しています。
また、残念ながら亡くなられた患者様の御遺体を、御遺族の承諾のもとに解剖させていただく“病理解剖”も当科の重要な仕事であり、“患者様の最後の声を聞く仕事”とも言えます。病理解剖により、生前の診断が正しかったのか、治療効果はどれくらいあったのか、最終死因は何かなどを診断します。病理解剖を行った症例については、臨床病理検討会(略称CPC)を行っています。CPCでは主治医と病理医のほか、看護師、薬剤師、検査技師など多職種から患者様についての詳細な報告がなされ、診断、治療、労働災害との関連の有無、看護のありかたなどについて多面的に討論しています。当院のCPCは2019年3月で141回を数えており、地域の開業医の先生方や勤務医の先生方にも広く開放されています。患者様の生前の御苦労に報いることができるよう、また御遺族の崇高な決意を無駄にすることのないよう、診療内容の改善、職員研修の推進にむけて、また医学の進歩に少しでも寄与できるよう努力しています。
その他、長年にわたる癌登録と追跡調査により癌に対する疫学的アプローチを継続しており、当科の誇るべき事業となっています。また近年では、当科での実習を希望する医学生が増えており、病理学教育にも力を入れています。
“一診入魂”を合い言葉に、検体の受付・標本作成・病理診断・癌登録・追跡調査にいたるまで、スタッフ一丸となって取り組んでいます。
CPC(臨床病理検討会)の様子