総合病院
鹿児島生協病院
院長 樋之口 洋一
みなさま、あけましておめでとうございます。
2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞したのに続いて、2025年のノーベル賞は、坂口志文氏(大阪大学)が生理学・医学賞を、北川進氏(京都大学)が化学賞をそれぞれ受賞し日本人のダブル受賞となりました。坂口さんの研究はガンや免疫病の治療発展に大きく貢献し、北川さんの研究は地球温暖化の大きな原因となっている二酸化炭素や自然に分解されない化学物質「PFAS」の回収に期待が持たれています。平和であるからこそ、基礎研究が発展するわけで、絶対に戦前に戻ってはいけないと改めて決意を強くした出来事でした。お二人とも「政治はもっと研究にお金をかけてほしい」と意気同音におっしゃっていたのも印象的でした。
さて、鹿児島生協病院は1975年10月に、この谷山の地に「鹿児島医療生協・市民病院」の名称で27床の病院として開設いたしました。それから50年の間、地域の皆様や近隣の医療機関などの御指導御鞭撻のおかげで、地域の急性期医療を担う中核病院へと成長させていただきました。
当院の最大の使命は、地域の関係各機関との交流・連携を進めることです。保健予防・医療・介護・訪問診療・福祉とひとつの施設ですべてを完結するのは非常に困難な時代となってきています。お互いの強みを生かした医療介護連携をし、地域の総合力で鹿児島市南部にお住まいの皆様のいのちと健康を守っていきたいと考えています。
当院は「人権を尊重し、安全で信頼される医療を地域の人々とともにすすめます」という理念のもと、日々の診療にあたっております。患者の立場に立った親切な良い医療を提供することはもちろんのこと、患者の人権を尊重し協力協同の営みとしての医療をすすめていきます。
また、病気だけではなく、その方が地域でどのような状況で生活され、なぜその病気になるに至ったのか、これからの生活は立ち行くのかまで考慮するのも、私たち医療者の使命だと考えています。国の予算に占める社会保障費用は、実質的には年々削減され、医療・介護の保険料など自己負担は増える一方です。私たちは様々な社会資源の活用とともに、社会保障制度の改善を求めて活動を続けていきます。
さらにもう一つの大きな課題は、地域医療をになう人材の育成です。医師・看護師の育成は開設以来取り組んで来ていますが、今後も地域医療にこだわりながら多職種協働の医療が実践できる人材の育成をさらに続けます。今後とも皆様の御指導をいただき、地域医療の発展に努力いたす所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
2026年元日