眼底検査の勧め

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総合病院鹿児島生協病院

眼科

日本眼科学会専門医

福宿 宏英 (ふくやど こうえい)


 

眼底検査の勧め

はじめに

昔から、目を見ることで体の病気がわかることが知られていました。まぶたをあかんべーとして青白ければ貧血を疑います。白目が黄ばんでいたら肝臓病を疑います。また「目は心の鏡」と言い、その人の心の有様も映し出します。「目が泳いでいる」と嘘をついているとか、「目がつり上がっている」と怒っているなど、目に関連した感情表現もいっぱいあります。

さて今回は、目のなかでも「眼底(がんてい)」を見て、何がわかるかのお話です。

眼底とは

眼底とは眼球の内面の部分で、そこには光や色を感じる網膜や、網膜が感じた情報を脳に送る視神経乳頭、網膜に栄養を与える血管などがあります。眼底の中心部は黄斑(おうはん)と呼ばれ、視力を担う大事な部分です。網膜の血管は体の中で唯一直接見ることができる血管です。

 

図1

図1

眼底検査

眼底検査には2つの方法があります。一つは図2のように、照明と観察レンズを用いて医師が診察する方法(図2)。もう一つは図3のように、眼底カメラという器械を用いて、写真やデジタル画像として撮影する方法です(図3)。さらに眼底カメラには、主に眼科以外の施設において目薬で瞳孔を開かずに検査できる「無散瞳型」と、眼科にて瞳孔を開いて検査する「散瞳型」とがあります。

無散瞳型眼底カメラでは、眼科のない病院でも器械と検査技師がいれば検査を受けられ、瞳孔を開く目薬を使わないので、検査後にまぶしくなったり、かすんだりしないという利点があります。ただし眼底の中央しか撮影できないので、網膜剥離など眼底の周辺から始まる異常は、発見しにくいという欠点もあります。

 

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図2

FIG3
図3

 

眼底検査でわかる体の病気

先ほども述べましたが、網膜の血管は体の中で唯一直接見ることができます。そこで、網膜血管の状態や出血の有無を見ることによって、高血圧や糖尿病、動脈硬化の原因となる高脂血症や高尿酸血症などを発見することができます。特に糖尿病の合併症である糖尿病網膜症(図4)を、視力低下などの自覚症状が出る前に発見できます。その他、貧血や膠原病などの診断にも役立ちます。

 

FIG4
図4

眼底検査でわかる目の病気

いろいろな目の病気がわかりますが、中でも重要なのが緑内障です。緑内障は徐々に視神経が障害され視野が狭くなっていく病気です。視神経乳頭を見ると正常でも中央がすり鉢状に陥凹しているのですが、緑内障ではその陥凹が大きくなったり、いびつになったりします(図5)。最近の調査では、40代以上の17人に1人が緑内障であることがわかりました。自覚症状が出る前に、さらには視野検査でも異常が出ないうちに、眼底検査によって緑内障を早期に発見することができます。

FIG5
図5

眼底検査の勧め

眼科医による瞳孔を開いての詳しい眼底検査は、医療生協では鹿児島生協病院眼科でしか受けられません。しかし、眼底カメラ検査は、鹿児島生協病院、国分生協病院、川辺生協病院、谷山生協クリニック、中山生協クリニック、吉野生協クリニックで受けることができます。撮影された写真は鹿児島生協病院眼科に送られ、私たち眼科専門医が異常がないか判定しています。

これまで述べてきましたように、眼底検査はいろいろな体の病気や目の病気を発見するチャンスとなります。特に糖尿病網膜症や緑内障は自覚症状が出る前に診断できるので、是非とも一度受けてみてはいかがでしょうか。

 

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