人は動脈と共に老いる

 

人は動脈と共に老いる


動脈硬化について


人口の高齢化と食生活の欧米化・過食・運動不足などに伴って我が国では動脈硬化に基づく様々な病気が増えており、動脈硬化性疾患(脳梗塞、心筋梗塞、腎不全、解離性大動脈瘤破裂など)で亡くなる方は癌で亡くなる方と同じ数になってきています。それほど恐い〝動脈硬化症〟なのですが「動脈硬化」はひどくならない限り症状は出てきません。そのためにいかに早期に発見してその段階に応じた対策を考えるかが大切になってきています。

 

加齢によって動脈は硬くなる

 

人間はどんなに頑張って努力しても年をとるに従って動脈は硬化してきます。〝人は動脈(血管)と共に老いる〟といわれる由縁ですがこれは仕方のない事実なのです。但し、動脈硬化は多少あってもそれが詰まったり、狭くなて血流が途絶えないようにする事はできます。「動脈硬化」とは血管の弾力が低下するだけなのですが、動脈の内側にコレステロールなどが沈着して血栓などをつくる「粥状(じょくじょう)動脈硬化」になると症状が出てきます。粥状動脈硬化は脳梗塞・心筋梗塞・胸腹部大動脈瘤などになり易く治療が必要です。時には死に至ります。しかし、やはり「動脈硬化」はいつかは「粥状動脈硬化」を起こしてきます。動脈が硬くなるとまず血圧が高くなってきます。高血圧になると動脈はその圧力によってほころびが生じてそこに血液成分(コレステロールなど)が沈着して内くうが狭くなり、やがて「粥状動脈硬化症」へと進展します。

 

動脈硬化を早期に発見するには


動脈硬化をなるべく早期に発見するにはいくつか方法がありますが、一番客観的で簡単で費用も時間もかからない測定機器を医療生協では三年前より購入して組合員の皆様に利用していただいています。

注①この装置は『動脈脈波伝播(でんぱ)速度装置』といい、心臓から下肢までの血液の流れる速度と四肢の血圧、脈波形を測定して動脈硬化度と血管の狭窄や閉塞の程度などをみる事ができます。
※この検査ができるのは今のところ谷山生協クリニックと坂之上生協クリニックのみです。

動脈の硬さは動脈の脈波の伝わる時間(脈波伝播速度IPWV)で判定します。動脈が硬いと血液は血管の進展によるクッションが働かずに速く流れます。測定は上腕と足首で行い、全く健康な方々の年齢別正常値と比較して動脈硬化度を測定します。

 

すべての組合員も自分の動脈硬化度を調べましょう


この装置を利用して恐い動脈硬化を早期に発見していただきたい方は別表①にあてはまる方です。特に60才以上(男性は50才以上)の方は全員検査を受けてください。というのも前に述べたように、加齢による動脈硬化は男性に先に起こり、女性は60才以降に進行してくるからです。次いで高血圧症の方も必ず動脈硬化を起こしてきますので是非受けてみてください。高血圧症の方は治療によって血圧が下がると動脈硬化の値も確実に下がってきます。それだけ高血圧症は動脈硬化を進める最大の危険因子と云える訳です。三番目が糖尿病です。糖尿病は別名「血管病」とも云われる大きな血管から細い血管の動脈硬化と閉塞を起こしてきます。高脂血症も動脈硬化の大きな危険因子で動脈硬化から急速に粥状硬化を起こします。
簡単で費用も安い動脈脈波伝播速度装置で早期に自分の動脈硬化度をチェックしてみませんか。
(※一割負担で120円、3分で終了、寝ているだけで測定終了、以前の測定値との比較が出ます)

別表① 検査を受けた方が良い方
高齢の方(60才以上の方すべて)
高血血症・虚血性心疾患・狭心症
糖尿病・高脂血症・HDLコレステロールの低い人
脳梗塞・歩行障害を感じる人
喫煙者・運動不足・肥満・ストレスの多い方
不規則な生活・食事の方

 

その他の動脈硬化の測定法


動脈硬化がどの部位にどういう形で存在するのかをより詳しく調べる方法には別表②のような検査があります。このうち、頚動脈超音波検査と心電図(安静時と運動負荷時)は脳梗塞と心筋梗塞の危険度がより確実に判りますし、外来ですぐできます。採血もすぐできます。但しほかの検査は予約や費用の面でやや面倒です。従って、市から送ってくる『基本健診』と脈波伝播装置と頚動脈超音波検査と運動負荷心電図をまず最初に行ったうえで動脈硬化の強いと思われる部位の精密検査を受けるのが一番賢い方法です。

 

別表② 動脈硬化のより詳しい検査
脳:MRA・頚動脈超音波検査
心:冠動脈造影・心筋シンチ・トレッドミル
大動脈:超音波エコー検査・三次元MRA・血管造影

 

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