令和２年度 総合病院鹿児島生協病院 病院指標

内科の退院患者数の上位5位は「尿路感染症」「狭心症などの心臓カテーテル検査入院」「心不全」「誤嚥性肺炎」「敗血症」の順となっています。「心不全」や「誤嚥性肺炎」の入院は、高齢の方や多重疾患の方が多く、平均的な入院日数は全国平均と比べ長くなっています。また当院退院後の療養等のため他院への紹介転院を行うなど他医療機関との連携もすすめています。

小児科の退院患者の上位3位までは呼吸器系の疾患で占められています。平均的な入院日数については、全国平均と比較すると、当院は短い傾向にあります。

外科の退院患者数の上位5位は「鼠径ヘルニア（ヘルニア手術あり）」「虫垂炎（虫垂切除あり）虫垂周囲膿瘍を伴わないもの」「胆嚢炎（腹腔鏡下手術あり）」「イレウス（手術なし）」「虫垂炎（虫垂切除あり）虫垂周囲膿瘍を伴うもの」となっています。
鼠径ヘルニア、虫垂炎、胆嚢疾患に対しては、積極的に腹腔鏡下手術をおこなっております。
※虫垂周囲膿瘍：虫垂炎の炎症が進行すると、虫垂が穿孔して周囲に膿が溜まってしまったり、お腹の中に膿が広がってしまう状態となります。虫垂を切除した上で、腹腔内に残った膿を出すための管を挿入し手術後も留置する必要があります。このような場合には膿を体外に出しきるまで管を挿入しておくので、入院期間が長くなります。

整形外科の退院患者数の上位5位は、高齢化や骨粗鬆症からくる「股関節・大腿骨近位部の骨折」に対する手術が最も多く、次いで「胸椎・腰椎の圧迫骨折（手術なし）」「前腕の骨折（手術あり）」「鎖骨・肩甲骨の骨折・脱臼（手術あり）」「肩関節周辺の骨折（手術あり）」となっています。とくに股関節・大腿骨近位部の骨折や胸椎・腰椎の圧迫骨折は高齢の患者さんが多くなっています。

眼科は白内障の手術目的が一番多く、眼科症例の9割以上を占めています。
前年度より件数が少なくなっていますが、2020年9月より白内障手術目的の入院を地域包括ケア病棟で受け入れを行っており、DPC対象ではないために集計に含まれていないためです。

リハビリテーション科では、股関節・大腿骨近位部骨折、腰椎圧迫骨折、脳梗塞などの患者さんのリハビリ目的の入院の受け入れをすすめました。
リハビリ目的のため、全国平均の入院日数より長くなっています。

泌尿器科は前立腺癌疑いでの検査入院が最も多く、次いで腎結石や尿管結石に対して内視鏡を用いたレーザーで破砕・除去を行った症例、膀胱腫瘍（悪性腫瘍）に対して内視鏡的手術を行った症例、腎盂・尿管の悪性腫瘍に対して化学療法を行った症例、膀胱結石に対して手術を行った症例となっています。

内科で最も多い手術は経皮的冠動脈ステント留置術となっており、次いで内視鏡的胆道ステント留置術、シャント設置術、胃瘻造設術、内視鏡的消化管止血術となっています。

外科の手術件数は、クリティカルパスを用いた予定入院が多いです。胆石症や胆嚢炎での腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多く、次いで鼠径ヘルニア手術や虫垂切除術、結腸悪性腫瘍切除術の順番となっています。

整形外科の手術は大腿骨の骨折に対する手術が最も多くなっています。
次いで股関節部に人工骨頭を挿入する手術、3番目は前腕や足の骨折に対する手術となっています。
4番目が肩や膝、肘の関節内の骨折、5番目が股関節や膝関節の人工関節置換術となっています。

眼科の手術件数は白内障の手術が最も多くなっています。

リハビリテーション科で最も多い手術は、大腿骨の骨折に対する手術となっています。骨粗鬆症などにより骨がもろくなり、骨折して入院・手術、リハビリといった症例が多くなっています。また大腿骨折に対しては人工骨頭を挿入する手術も実施しており、2番目に多い手術件数となっています。脳梗塞等により嚥下機能が低下した患者さんに対しては胃瘻造設術を行っています。

泌尿器科では、内視鏡を用いた手術を多く実施しています。腎結石や尿管結石に対して内視鏡を用いたレーザーでの破砕・除去を行う手術が最も多く、次いで膀胱の悪性腫瘍の手術、尿管結石に対して尿管ステントを留置する手術、腎悪性腫瘍の手術となっています。